糖尿病減らそうとした 久山町の悲劇


糖尿病、久山町の悲劇と糖質制限法 糖質制限は人類本来の食事、人類の健康食 江部康二

福岡県久山町の悲劇とは、町ぐるみで糖尿病を減らすため、病院とタイアップして、日本糖尿病学会推奨の治療を徹底した結果、1988年から2002年までに、逆に糖尿病の人は約1.5倍に増加した、というものらしいです。

あまり関心を持ってなかった分野なので勉強不足で知らなかったけど、割と有名な事例みたいですね。

研究責任者の九州大学・清原裕教授も 2007 年 7 月 27 日(金)の 毎日新聞朝刊 で「1988 年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい」とのコメントを述べた。とのことです。

その推奨された従来の糖尿病食事療法は、カロリー制限の高糖質食(糖質 60%、脂質 20%、タンパク 質 20%)を摂るというもの。

カロリーを制限して全体的に食べる量は少なくするが、その半分以上は糖質にするというのがポイントみたいです。ただそれを徹底し続けていったところ思わぬ結果に。

この結果を踏まえて、この論文では、従来のカロリー制限、高糖質食という糖尿病食は糖尿病を増加させるとし、治療方針の変更が必要と訴えています。

現に米国では変更しつつあるようで、
「ADA(米国糖尿病学会)は2013年10月に、患者ごとにさまざまな食事パターン(地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH 食 = Dietary Approaches to Stop Hypertension〈高血圧を防ぐための食事方法〉)が認められる」

としていて、食事の多様性とともに、糖質制限食が正式に認められたようです。

「それに反して、日本糖尿病学会は40 年以上一貫してカロリー制限食を唯一無二の食事療法として推奨し続けている」との主張です。

日本でも従来の方針を見直したほうがいいという声もあるようですが、(日本でも食事療法の見直し CareNet

日本の学会では、糖尿病食の多様性は認めるが、糖質制限食はまだ認めるとこまでいってないようです。(日本糖尿病学会2019年ガイドライン

「ADA(米国糖尿病協会、2004)によれば 、「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみであり、速やかに吸収され、120 分以内にほぼ 100%血 糖に変わる。蛋白質と脂質は直接血糖に影響を与えることはない」とされている。

「日本では「糖質だけが血糖値に直接影響を与える」という重要な生理学的事実を、ほとんどの医療関係者が知らないのが現状である」と主張されております。

ざっくりいうと、糖質多めの食事をしている人は糖尿病になる可能性が高い、というのが新しい考えで、気をつけた方がいいということらしい。

ここで驚いたのは、糖分多く摂るから糖尿になる、それはそうだろうと単純に考えてましたが、これは今までの定説だとそうでもなかったんですね。

確かに、糖尿病の原因を検索してみると、遺伝、肥満、運動不足、ストレスなんかが原因で、糖分摂りすぎは指摘されてないですね。

勉強不足で全く勘違いしてたことが、偶然にも定説に変わる新しい理論と一致してしまうという。

「毎度糖質多い食事してると、おやつまで含めれば、1日5回もインスリン大量分泌しなければならず、それが何十年と続けば膵臓が疲れてしまって、本来の能力を発揮できず糖尿病が発生してしまう」という、整形外科で言えば使いすぎ症候群のような感じで、五十肩みたいなもんでしょうか。

「人類は700万年は狩猟・採集時代で糖質制限食時代であった。

農耕・穀物食時代で糖質中心になったのは1万年前ほど。人類史で糖質食中心の時代は700分の1の期間にすぎない。

このように考えると糖質制限食が人類本来の食事・健康食と考えられる」とおっしゃっています。

糖質制限食はダイエットで注目されましたけど、糖尿病予防、動脈硬化予防にもなる、という話です。

医療に関する情報はこのようにどんどんアップデートされていくことが多いですね。

悪者扱いされていたコレステロール値が高くなるので卵は一日一個までと言われていたのが、そんなに悪くないものだと制限が撤廃されたり、大麻解禁のところも増えてきたり。

血圧の基準は、降圧目標が75歳未満の成人で、140/90mmHgだったのが、130/80mmHgと厳しくなったり。今、70歳以上の人の2人に1人は降圧薬を飲んでるらしいけど、こうなるとほとんどの人が降圧薬飲む状態になったりして。

これには指摘されてる方も多いですが、金が絡んで利益優先の理論を広めるということもあると思います。会社の売上を上げたいとか、研究費をもっともらいたいとか。

故意の場合もあるし、誘導された理論に専門家でさへも無意識に染まってしまう場合もあるだろうし。
その見極めは大変ですね。

今の常識がまったく別のものになることもどんどん出てくるかと。

今はタバコの煙は相当な悪者扱いですが、これがいつの日か、タバコの煙は体に良くて魚焼くときの煙が悪いと焼き魚禁止されたり。血圧は高くしてエネルギッシュに生きたほうが病気に対抗できるとされたり。

そんなことがないとも限らないほど、まだまだ医学も知られていない部分があり、定説は覆され続けていくのでしょうね。

以前にブログに糖質多めに食べてダイエットした、というの書きましたが、(糖質多めダイエット)この論文に従うと、くれぐれも糖質摂りすぎには気をつけていただけたらと。

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